
AIの使い方がわからないとき、何を聞けばいいんでしょう。質問文から悩んでしまいそうです。
AIを開いたのに、入力欄を前に手が止まる。プロンプト、つまりAIへの指示文をちゃんと書かないといけない気がする。そんなときは、最初の質問をもっと雑にしてみませんか。
「こうしたいんだよね」「これできる?」。出発点は、そのくらいでいいんです。方法も条件も、話しながら考えられます。
この記事では、一言の相談から、返答を見ながら希望を具体的にする方法を紹介します。AIエージェントで自動化を完成させる、その手前から始めましょう。今日は困りごとを一つ送れたら十分です。
- 最初の相談は未完成でいい
- 条件は会話しながら足せる
- 返答への感想が次の質問になる






AIの使い方|「これできる?」からの相談
やり方を知らなくても、こうしたい、は伝えられます。 たとえば、セミナー案内の日時を毎回カレンダーへ打ち直すのが面倒なら、こんな相談です。


以下は記事用の想定会話です。実際の連携テストや本人の体験記ではなく、AIの返答も毎回このとおりになるわけではありません。
あなた:Gmailに届くセミナー案内を自動でカレンダーに入れられる?
AIの返答例:使う環境やメールの種類によって方法が変わります。予定に入れたいのは、申し込んだセミナーだけですか?
あなた:そうそう。案内が来ただけのやつは入れたくない。
AIの返答例:では、申込確認メールを目印にする方法から考えましょう。
あなた:なるべく設定が簡単な方法がいい。
最初の一言には、申し込んだ分だけ、という条件はありませんでした。質問に答えたところで、欲しいものが少し具体的になっています。
返答を見て初めて、自分の希望がわかることもあります。 あとから条件に気づくのも、会話の一部なんです。
AIから質問が返らなければ、自分から条件を足して構いません。完成した依頼書を渡すというより、相談しながら輪郭を描く感じです。


AI初心者のつまずき|入力しては消してしまうとき
質問の型を覚えたつもりなのに、いざ書こうとすると進まない。質問をする前の作業で疲れてしまうことはないでしょうか。


役割を指定して、目的を書いて、出力形式を決めて。解説どおりに書こうとしたら、相談したかったことより質問文の形が気になる。短く書いた文を消して、また解説を探す。気づけば、今日はもう寝る時間です。
丁寧に頼もうとするほど、送信ボタンが遠くなる。AIを使いたかっただけなのに、いつの間にか作文の試験みたいになってしまうんですよね。



夕飯の相談に、企画書は要らない。型が役立つのは確かだけど、毎回そこから始めなくていい。
便利な実演を見たあとも、目標は膨らみがちです。毎回、自動化まで完成させる必要はありません。 メールの返事を一つ考えてもらって終わる日があっていい。できること全部を、今日やることにしなくて大丈夫です。
AIを使うことで作業が増えてしまうときは、AIに頼む仕事を増やしすぎないための工夫も参考になります。


AIへの質問|「失敗したくない」気持ちの心理
失敗への不安と先延ばしには、関連が報告されています。 質問を送る前に手が止まるとき、この視点から考えることもできます。


完璧を目指す気持ちの二つの側面
2017年のメタ分析では、複数の研究をまとめて、完璧主義と先延ばしの関係を調べています。失敗などへの懸念が強いほど、先延ばしも多い傾向がありました。一方、高い水準を目指す傾向が強いほど、先延ばしは少ない傾向でした。Siroisらの研究
丁寧にやりたい気持ちそのものが悪いわけではありません。 ただ、変な質問をしたくない、という不安で送れなくなっているなら、最初の一文に求める合格点を下げてみる余地はありそうです。
指示を考えること自体の難しさ
AIへの頼み方を考え、返答の良し悪しを判断することにも難しさがあります。CHI 2023の研究では、AIの非専門家10人が、当時のGPT-3でチャットボット用の指示を作りました。試行して改善する様子とともに、評価や、別の入力にも通用するかの判断で苦労する様子が報告されています。著者公開論文
うまい頼み方がすぐ浮かばなくても、自分の能力不足だけで片づけなくてよいでしょう。


AIの使い方をTTHで考える|頼む内容から一緒に整理
TTHは、徹底的にハードルを下げるの略です。使い始める前に自分だけで済ませる準備を減らし、頼む内容を整理するところからAIに手伝ってもらいます。


案内文なら、直す場所を聞くところから
たとえば町内会の案内文。読みにくいのはわかるけれど、どう直せばいいかはわからない。そんなときは、文章をどう変えるかまで考えず、読みやすくしたいんだけど、と相談してみます。
長い書き直し案が返ってきたら、先に直す場所を三つだけ教えて、と戻しても構いません。見出し、集合場所、持ち物。その中で気になる一つを選んで、続きを話せます。
頼む内容は、最初の返答を見てから絞ってもいいんです。
最初の返答は、次を考えるたたき台
開発者向けのAnthropicの資料も、必要最小限の指示から試し、結果に応じて説明や例を足す進め方を勧めています。Anthropicの技術資料


AIの自動化相談|Gmailの例で考える方法選び
相談が具体的になったら、次は簡単な方法で目的を果たせるかを考えます。先ほどのカレンダー登録も、大がかりな仕組みを作ると決めつける必要はありません。


まずは標準機能でできる範囲
Google カレンダーには、対応する予約やイベント登録の確認メールなどから予定を追加する標準機能があります。一般的なセミナー案内がすべて対象になるわけではなく、日本では既定でオフです。Google公式ヘルプ
標準機能でできる範囲を先に聞くのもよいでしょう。それでは足りないとわかったら、別の方法を検討する。AIエージェントという名前に合わせて、困りごとを大きくする必要はないんです。
設定・実行へ進む前の確認
相談できることと、実際に設定・実行できることは別です。設定を進めるなら、何が変わるか、費用、アクセスの許可を確認します。予定が入ったら、日時と参加先も見ておきましょう。
雑でよいのは最初の相談の完成度です。答えを確かめることまで省く意味ではありません。メールを相談に使う際も、氏名や連絡先、仕事の機密は伏せます。機能の記載は2026年10月19日確認です。


AIの返答を整える|その感想が次の質問
返答がしっくりこなかったら、読んで困ったことをそのまま返してみます。 直し方を専門的に説明できなくても、会話を続けられます。


難しいなら、読む手が止まったところ
知らない言葉が続くなら、専門用語を使わず一つずつ説明して、と頼みます。長すぎたら、まず最初にすることだけ教えて、でも大丈夫です。



うまく言い直せないときも、「難しい」「もっと短く」で伝えていいんですね。
ずれたら、一つだけ希望を追加
旅行の相談で高級ホテルばかり出てきたら、今回は予算を抑えたい、と返す。夕飯の案が凝りすぎていたら、帰宅後15分で作りたい、と足す。何が違うかが一つわかれば、次へ進めます。
文章だと読みづらければ、ChatGPTに図解を頼むときの言い方のように、見せ方を変えてもらう手もあります。返答を黙って採点して終わらなくていいんです。


AIの使い方に関するよくある質問
始める前に気になりやすいことを、四つまとめました。聞くこと自体を相談にしても構いません。


- 何を聞きたいか、自分でもわからないときは?
-
困っている場面だけ伝えてみてください。毎週の連絡文を書くのが面倒だけれど何を頼めるかわからない、までで構いません。頼めそうなことを三つ挙げて、と聞く入口もあります。
- 同じことを何度も聞いてもいいですか?
-
聞き直して構いません。返答のどこが違ったかを一つ添えてみましょう。繰り返しても直らなければ、具体例を一つ足す方法もあります。
- プロンプトの勉強は必要ないのでしょうか?
-
勉強する価値はあります。 ただ、最初の相談の前に済ませる必要はありません。繰り返し頼みたい作業が見つかったら、その作業の頼み方を少しずつ整えるとよいでしょう。
- AIエージェントで自動化までしたほうがいいですか?
-
返事の下書きや、文章の説明で目的を果たせる場合もあります。同じ作業が何度も出てきてから、自動化する価値があるか考えれば十分です。


AIに今日の「面倒」を一つ話してみよう
AIの使い方がわからなくても、困りごとを話すところから始められます。返答を見て、欲しいものに気づいたら足す。この往復が相談です。


TTH:頼む内容を整理するところからAIに手伝ってもらう。
最初の一歩:今日の面倒を一つ送り、返答に一言返す。



「こうしたいんだよね。これ、できる?」。そこから話そう。返答を見てから、続きを考えればいい。
普段使っているAIの入力欄に、いま思い浮かんだ面倒を一つ書いてみてください。頼む範囲や伝え方を整えたいときは、こちらもどうぞ。


参考資料(2026年10月19日確認)








コメント
コメント一覧 (2件)
[…] 依頼の言葉がうまく出てこないときは、「これできる?」から始めるAIへの頼み方も参考にしてください。最初の仕事をどう選ぶか迷ったら、AI社員に最初の仕事を頼む考え方で、任せる […]
[…] 料などを最初から入れる必要はありません。個人情報を含まない短い質問なら、答えを見比べることに集中できます。AI自体が初めてなら、AIを小さく試す考え方も参考にしてください。 […]